#37 間違えながら学べ

「今から107年前、この壁に逃げ込んだ当時の人類は、王によって統治しやすいように、
記憶を改竄されたのです。」 (『進撃の巨人』諫山創 )
私もそうだが、おそらく先生方には「こういう勉強方法がいい」という信念があると思う。
それは、子供の頃の勉強や、教えるようになってからの経験則からの信念である。
先生になるような人は、たいてい勉強が得意だし、自分を客観視することに長けている。
ましてや、先生にまでなったのだから、それを日々検証しているのだから。
「答え合わせのとき、間違っている答えは消しゴムで消さずに、赤で正しい答えを添える」
おそらく、多くの日本人はこのような方法をとっていると思うし、理由も皆同じだろう。
「間違いを消してしまったら、自分が何に躓いたのかわからなくなってしまうから。」
ここまで書くと、私が何を言いたいのか見当がついた方も多いだろう。
そう、多くの外国人学習者は、ミスを消しゴムで消して、正しい答えを書き加える。
まるで、過去の失敗がなかったかのように。そして、次回も同じようなミスを繰り返す。
これについては、私もそうだし、同僚たちもいろいろな方法で彼らに変容を求めてきた。
赤ボールペンを買うのがもったいないから?と思えば、全員に赤をプレゼントしたり、
間違いを恐れすぎるから?と思えば、間違いは恥ではなく成長過程だと説いたり…。
私は今、ネパール人外国人スタッフに週1回ではあるが、日本語を教えている。
人数は10名程度で心理的に親しく、日本語学校ほど厳しく接する必要はない学習環境。
勉強に鉛筆を使う者も2,3人いるが、ボールペンを買うだけのゆとりは十分あると思う。
そんな中で、彼らに日本語を教え始めてもうすぐ2年が経とうとしている。
これまでに何度も「消したら上手にならないよ」という旨の話をしたけど、やはり消す。
これまで様々な国の人たちに日本語を教えてきたが、特にネパールの人は変わらない。
消しゴムのことに限らず、日本の文化に染まらず、自国文化を守る人の割合が多い。
「「郷に行っては郷に従え」という格言、知らないの?」と思えるくらいだ。
もちろん、自国の文化を大切にすべきだと思うし、日本かぶれになる必要もない。
けれど、まずは飛び込んだ国の文化を尊重する気持ちをもって理解を示すことが必要。
(それは、私自身にも言えること。「俺様は日本人だ!」はダメ。自戒の念をこめて)
「間違えながら学べ」これは、勉強、特に語学学習においての私の信念である。
その一方で、各人の学習におけるビリーフに変容を求めるのは本当に難しいと感じる。


